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緊急時事業継続体制の整備に関するガイドライン 理事会決議等 | 日本証券業協会

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緊急時事業継続体制の整備に関するガイドライン

平成17年6月29日 日 本 証 券 業 協 会

Ⅰ 目 的

このガイドラインは、会員及び特定業務会員が「緊急時事業継続体制の整備等に関する規則」(以下「規則」

と い う 。) に 定 め る と こ ろ に よ り 、 災 害 発 生 時 等 を 想 定 し た 事 業 継 続 体 制 ( B C M :Business Continuity Management)を整備していくうえでの基本的な考え方及び具体的な内容を取りまとめたものである。

Ⅱ 災害発生時等の事業継続体制の整備及び基本的考え方

1.事業継続体制の整備

① 会員及び特定業務会員は、規則第2条の規定により、災害発生時等においても事業が継続でき、かつ、

重要な業務が中断した場合に速やかに当該業務が再開できるよう、本ガイドライン等を参考に、事業継 続体制の整備に努めなければならない。なお、整備に当たっては、証券市場BCPフォーラム等におけ る検討結果に基づき、他の会員及び特定業務会員等、関係機関等及び本協会と連携し対応する体制とす ることに留意する。

② 会員及び特定業務会員は、事業継続体制について、内部監査、外部監査など独立した主体による検証

を受ける必要がある。

2.「事業継続計画」の策定

① 会員及び特定業務会員は、規則第3条第1項の規定により、あらかじめ、災害発生時等において事業

を継続するための基本計画である「事業継続計画」(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、役

員及び従業員(以下「役職員」という。)に周知しなければならない。

② 「事業継続計画」の策定を行うに当たっては、取締役会等による承認を受ける必要がある。

③ 会員及び特定業務会員は、事業継続計画の策定に当たっては、会員及び特定業務会員の立地条件及び

業務特性・規模等を踏まえつつ、災害等の規模、自社への被害及び顧客への影響が小規模なものから具 体的な被災シナリオを想定のうえ、Ⅲ.以降に記載されている具体的な整備項目・内容を参考に、最低

限行うよう努めるべき重要な業務を実施するためのものとする必要がある。また、業務の実態等に応じ、

国際的な広がりを持つ業務中断に対応する計画とすることに留意する。

④ 被災シナリオとしては、例えば、次のようなものが考えられる。

イ 支店・営業所の被災による当該支店等の業務の全部又は一部停止

ロ 本店の被災による本店機能の全部若しくは一部停止又は喪失

ハ データセンターの被災による顧客データ等の喪失

⑤ 会員及び特定業務会員は、規則第3条第4項の規定により、事業継続計画に基づく災害発生時等にお

ける対応について、自社のホームページへの掲載等により、顧客への開示に努めなければならない。 3.本ガイドラインにおいて想定する災害等

本ガイドラインでは、災害等として、次のような事象を想定している。

[ 本ガイドラインが想定する災害等の例 ]

(2)

社会インフラの機能停止(大規模停電、通信障害等) テロ行為(予告、脅迫、破壊行為等)

対企業犯罪(サイバー・テロ、反社会的勢力の介入、役職員の誘拐等)

なお、事業継続体制の整備に当たっては、システム障害を対象とすることが考えられるが、システム障

害については、その被害への対応策の専門性等から本ガイドラインの想定する災害等の対象外としている。

このため、会員及び特定業務会員は、システム障害について、別途、適切なコンティンジェンシープラン を策定しておかなければならないことに留意する。

Ⅲ 「事業継続計画」における具体的整備項目

1.意思決定・指揮命令体制の整備及び明確化

① 会員及び特定業務会員は、災害発生時等においては、時間的制約がある中で異例時対応に関する各種

の判断・決定が求められるため、会員及び特定業務会員の業務組織に即して、あらかじめ意思決定・指 揮命令体制を整備、明確化しておく必要がある。

② この意思決定・指揮命令体制の整備については、例えば、災害等のレベル・類型に応じて、次のよう

な対応が考えられる。

イ 経営陣が緊急事態を認定し意思決定を行う危機管理組織(以下「BCP対策本部」という。)を本店

(本店が被災した場合には他の営業所等)に設置するとともに、BCP対策本部が一元的に情報収集 し意思決定を行う。

ロ 会員代表者又はそれに準ずる者(特定業務会員にあっては特定業務会員代表者又はそれに準ずる者)

をBCP対策本部長(統括責任者)とし、さらに部門ごとに責任者を定める。

③ また、大規模災害の場合には、経営陣、BCP対策本部長及び部門責任者との連絡が取れないことも

想定されるので、迅速に権限委譲が行える体制を構築しておくことが望ましい。 2.社内連絡体制の整備

⑴ 災害発生時等における被害状況の把握及び連絡

① 会員は、災害発生時等に適切な対応を行うためには、被災営業所等の被害状況を把握するとともに、

当該被害状況のBCP対策本部への連絡が必要となる。

② この被害状況の把握及び連絡については、例えば、次の者が対応することが考えられる。

イ あらかじめ指定された役職員が出勤する。

ロ 役職員本人並びにその家族に被害がない者が出勤する。

⑵ 役職員への連絡及び対応人員の確保

① 上記⑴により被災営業所等の被害状況がBCP対策本部に報告されると、同本部において「事業継

続計画」の発動及び必要な対応等が決定されることとなるが、BCP対策本部は、被災従業員の安否 確認を行うとともに、業務継続に向けた対応人員を確保する必要がある。

② 被災役職員の安否確認については、緊急時連絡網の整備とともに、例えば、次のような具体的な措

置(緊急時連絡手段)が考えられる。

イ 支店長等の管理職者から電話・FAX及び電子メール等による安否確認

ロ 災害時優先電話及び携帯電話の配備

ハ 携帯無線・防災無線及び衛星電話の配備

ニ 携帯電話又はホームページによる安否登録システムの導入

ホ ラリーポイント制度の導入(時間及び場所を指定しておき集合する仕組み)

(3)

③ 対応人員の確保については、例えば、次のような対応が考えられる。

イ 被災が特定の営業所等に限定されたものであれば、当該営業所等の従業員による対応

ロ 必要に応じて、近隣に営業所等がある場合は当該営業所等、又は本店等からの要員の派遣

3.最低限必要な重要な業務の特定等

① 会員及び特定業務会員は、災害発生時等の事業継続について、あらかじめ行う業務の重要度を分析し、

優先的に継続すべき最低限必要な重要な業務を特定しておくとともに、当該特定した業務の復旧の優先 順位の設定及び復旧のための必要な措置について定めておく必要がある。

② 最低限必要な重要な業務については、例えば、顧客の生活及び経済活動の維持の観点からは、イ 当日

以降の金銭の払出し、ロ MRF又はMMFの解約、ハ 保護預り株式等の売却注文、ニ 信用取引、有価

証券関連デリバティブ取引の決済のための注文等が、また、金融商品市場の機能維持の観点からは、既 約定未受渡の取引の決済を行うこと等が考えられる。

③ この最低限必要な重要な業務の実施及び復旧のための当座の資金を確保するため、必要に応じて、災

害発生時等の資金手当てについて検討しておく必要がある。 4.重要なデータ等のバックアップ体制の整備

① 会員及び特定業務会員は、災害発生時等において事業を継続していくに当たっては、災害発生前のデ

ータが不可欠であり、特に最低限必要な業務を実施するには、顧客勘定元帳及び保護預り有価証券明細 簿 等 の 重 要な デ ータ フ ァ イル及 び プ ロ グラ ム 等に つ い て自社 又 は 業 務の 外 部委 託 先 におい て 確 実 に 管 理・保管しておく必要がある。

② 会員及び特定業務会員は、これら重要なデータ等について、安全な管理場所をあらかじめ確保してお

くとともに、分散保管、隔地保管等保管場所に留意しつつ、これらの破損又は障害等への対応のため、 定期的にバックアップデータを取得する体制を整備しておく必要がある。

③ このバックアップデータについては、リアルタイムで取得することが望ましいが、少なくとも毎日取

得する体制を整備する必要がある。なお、自社が管理する重要なデータ等についてはバックアップセン ターを保有しておくことが望ましい。

5.必要な資源の確保

会員及び特定業務会員は、災害発生時等において最低限必要な業務を実施するために、災害等の種類及

び営業所等の立地条件等に応じて備蓄品等の必要な資源を確保しておく、又は資源の調達先を把握してお く必要がある。必要な資源等には、例えば、次のようなものが考えられる。

[ 確保しておくべき資源 ]

予備の通信回線、予備の発注端末、パーソナルコンピュータ、電池、ラジオ、手動・自家発電機、食 糧、等

[ 把握しておくべき資源の調達先(連絡先、場所)]

通信業者、システム委託業者、コンビニエンスストア、病院、ホテル、等 6.顧客への連絡体制の整備

① 会員及び特定業務会員は、災害発生時等において被災営業所等における電話が使用不能になった場合

に備え、顧客からの連絡及び同日以降に受渡しが到来する顧客への連絡等に対応するため、顧客との連 絡を確保する体制を整備しておく必要がある。

② この連絡方法については、例えば、次のようなものが考えられる。

イ 本店等からの電話連絡

(4)

ハ 通信業者における電話転送サービス

ニ 店頭掲示

ホ 新聞又はホームページ掲載

なお、店頭掲示、新聞又はホームページ掲載については、「10.災害時における金融に関する措置」

にあるように、金融庁から要請される場合があることに留意する。

③ 連絡内容としては、被災営業所等の被害状況、業務内容、代替業務の実施場所及び連絡先等が考えら

れる。

7.復旧計画の策定等

① 会員及び特定業務会員は、災害発生時等において、「3.最低限必要な重要な業務の特定等」により決

定した優先順位に基づき復旧計画を立て、復旧作業を行うこととなるが、あらかじめ災害等による被害 を想定した復旧計画を策定しておく必要がある。

② この復旧計画には、最低限必要な重要な業務を行うために必要な措置及び業務を災害等の前の状態と

するまでの措置を計画することとし、その目標時間については、1、2日から2週間程度まで、複数の 状況を想定して検討することが望ましい。

8.「業務マニュアル」の作成

会員及び特定業務会員は、「事業継続計画」を実効性のあるものとするため、「事業継続計画」をさらに

具体化した「業務マニュアル」を作成するとともに、営業所その他の関係部署等に備え付け、従業員に周 知徹底しておく必要がある。

なお、「業務マニュアル」の作成については、各部門ごとの業務の専門性及び営業所等の所在する地域の

特性を踏まえ、各業務別・営業所等別に作成することが望ましい。 9.関係機関への連絡体制の整備

会員及び特定業務会員は、災害発生時等の際には、速やかに、当該災害等の状況及びこれに対し採った 措置の概要を金融庁(財務局)並びに参加者・取引先・会員となっている金融商品取引所、日本銀行及び 本協会等の関係機関へ報告する体制を整備しておく必要がある。また、自社の業務中断の影響が海外にも 及ぶ可能性がある場合には、その影響可能性及び危機のレベル・類型に応じた海外監督当局その他関係機 関への連絡体制を整備しておく必要がある。

10.災害時における金融に関する措置

会員及び特定業務会員は、災害発生時等に、金融庁(財務局)から、「金融商品取引業者等向けの総合的

な監督指針」に基づき、「災害時における金融に関する措置」の要請を受けることがあることに留意する必

要がある。

Ⅳ 本店又はデータセンター等の重要拠点が被災した場合の具体的措置項目

本店又はデータセンター等の重要拠点が被災した場合、又はテロ若しくは脅迫電話等により使用不可能とな った場合においても、基本的な対応については、支店等の営業所等が被災した場合と同様に考えることができ るが、本店又はデータセンター等の重要拠点の機能の確保に関し、次のような具体的措置項目が考えられる。

1.代替オフィス

① 会員及び特定業務会員は、重要な拠点である本店が被災した場合に備えて、本店機能の分散化ととも

に、本店機能を有する代替オフィス若しくは本店から離れた地域の支店等の営業所等に必要最小限の本 店機能を持たせておく必要がある。

② 代替オフィス又は支店等の営業所等は、本店から離れた遠隔地、又は近隣であっても本店とは地盤が

(5)

③ 代替オフィス等の設置が困難な場合には、災害等から本店及び設備の被害を最小限に止めるため、地

震等に対する対策を講ずる必要がある(Ⅴの4参照)。

④ 本店が被災した場合の最低限必要な重要な業務としては、例えば、既約定未受渡の取引の決済及び顧

客の売り注文があり、新規の買い注文の受注及びディーリング業務を自粛することが考えられる。 2.バックアップセンター

会員及び特定業務会員のデータセンターは、会員及び特定業務会員が金融商品取引業者として業務を行 う上で基本となる取引データ、顧客データ等の重要なデータを集中的に管理・保管していることから、こ のデータセンターが被災した場合には、被災の規模によっては事業継続を断念せざるを得ない状況に陥る ことも想定される。最悪の場合を想定した対応としては、例えば、次のようなものが考えられる。

イ データセンターのデータをバックアップするバックアップセンターの設置

ロ データセンターから離れた地域の営業所等においてデータをバックアップする体制の整備

ハ 他の会員及び特定業務会員等への業務代行の委託

Ⅴ 「事業継続計画」の実効性を確保するための体制整備

1.具体的事例を想定した訓練

① 会員及び特定業務会員は、「事業継続計画」の実効性を確保するためには、具体的事例を想定した訓練

を定期的に行い、何が危機であるかを認識し、可能な限りその回避・予防に努める必要がある。この訓

練を行うことにより、「事業継続計画」の実効性及び改善すべき事項を検証し、必要に応じて「事業継続

計画」の見直し、改善を図っていく必要がある。

[ 具体的事例を想定した訓練の例 ]

イ 金銭の払出し又はMRF・MMFの解約訓練

ロ 役職員の安否確認・対応人員の召集訓練

ハ 緊急時連絡訓練

ニ BCP対策本部設置訓練

ホ バックアップシステム稼動訓練

ヘ 避難・消防訓練

ト 継続・復旧を行う業務の模擬訓練

② この訓練は、少なくとも年1回以上実施することが望ましい。また、会員及び特定業務会員が単独で

行うほか、業務の外部委託先又は関係機関等と合同で行うことも考えられる。

2.「事業継続計画」の維持及び管理

① 会員及び特定業務会員は、「事業継続計画」を維持するため、自社の業務の実態及び自社を取り巻くリ

スク環境、さらには訓練により発見された「事業継続計画」の不備等に応じ、常時見直し、改善を行う 体制を整備しておく必要がある。

② 体制整備に当たっては、独立した専門部署を設けることが望ましいが、それが難しい会員及び特定業

務会員にあっては、災害発生時等においてBCP対策本部の事務局的な位置付けとなる総務部門等にお いて一元的に管理する必要がある。

③ 「事業継続計画」の重要な見直しを行うに当たっては、取締役会等による承認を受ける必要がある。

3.役職員に対する「事業継続計画」の周知

① 会員及び特定業務会員は、「事業継続計画」の実効性を確保するためには、上記1に掲げる訓練を実施

するとともに、規則第3条第1項の規定により、新規採用者又は出向者等に対し「事業継続計画」の内

(6)

その変更又は追加等の内容について周知しなければならない。周知の方法としては、文書通知又は研修 を行うことが考えられる。

② 上記の「事業継続計画」の周知に加えて、災害発生時等に必要な重要な情報(所属部署等の責任者の

連絡先、避難場所、代替オフィスへのアクセス方法等)を簡潔にまとめた「緊急対応マニュアル」等を 作成し、あらかじめ役職員に配付しておくことが考えられる。

③ また、「2.「事業継続計画」の維持及び管理」を行う部署・部門の役職員に対しては、イ「事業継続

計画」の策定方法、ロ 業務影響分析の実行等を内容とする研修を行うことが考えられる。

4.営業所及び金庫等の防災体制の充実・整備

会員及び特定業務会員は、災害等による被害を最小限に止めるため、地震、防火又は出水等に対する対 策を講ずる必要がある。例えば、耐震・免震構造となっている建物への営業所等の設置、耐火金庫の設置、 消火器の配置、重要な設備の上層階への設置・支店等の営業所等への非設置といった対応が考えられる。 5.備蓄品の確保

会員及び特定業務会員は、災害発生時等に備えて、あらかじめ備蓄品を確保しておく必要がある。あら

かじめ確保すべき備蓄品としては、「Ⅲ.5.必要な資源の確保」の項に挙げているものが考えられる。

6.避難場所及び避難経路の確認

① 会員及び特定業務会員は、災害発生時等において、営業所等から避難しなければならない、あるいは

営業所等に入れないといった状況が生じるときに備えて、あらかじめ複数の避難場所及び避難経路を確 認しておく必要がある。

② なお、地震等の場合、営業所等の建物が耐震・免震構造となっていて避難場所への避難より営業所等

の中に留まる方が安全である場合があることに留意する。

③ 営業時間内に災害等が発生した場合には、まず来店顧客・役職員の生命の安全を確認するとともに、

帰宅困難となる顧客等に対して、できるかぎりの対応をすることが望ましい。 7.取引業者との協力関係の確認

会員及び特定業務会員は、災害発生時等において自らの事業継続に不可欠な重要な取引業者(情報ベン ダー、倉庫業者等)の事業継続体制及び自社への支援体制等について、適宜、確認を行うことが望ましい。

Ⅵ 実施の時期

このガイドラインは、平成17年7月1日から実施する。

付 則

この改正は、平成19年9月30日から施行する。

付 則(平27.5.19)

この改正は、平成27年5月29日から施行する。

(注) 改正条項は、次のとおりである。

⑴ ガイドラインの題名を改正。

⑵ Ⅰを改正。

⑶ Ⅱ.1.①、Ⅱ.1.②、Ⅱ.2.①、Ⅱ.2.③、Ⅱ.2.⑤、Ⅱ.3を改正。

⑷ Ⅲ.1.①、Ⅲ.1.②.ロ、Ⅲ.3.①、Ⅲ.4.①、Ⅲ.4.②、Ⅲ.5、Ⅲ.6.①、Ⅲ.7.①、Ⅲ.8、Ⅲ.9、Ⅲ.10

を改正。

(7)

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